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氣太浪が提唱する生活習慣

氣太浪が提唱する生活習慣

身体にやさしく。

人間の生活は動くことで成り立っています。しかし健康的な暮らしを続けていくのに、筋肉や骨格についての難しいトレーニング理論などは必要ありません。人体(自分の身体)の仕組みを知り、生活に根差した動き方を身につけましょう。

深呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸の二つがあります。

腹式呼吸

空気を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませる呼吸

胸式呼吸

空気を吸うときに胸部を拡げ、吐くときに胸部を縮める呼吸(普段、無意識に行っている呼吸)

胸式呼吸には交感神経に働きかけて精神を活発にする作用があり、腹式呼吸には副交感神経に働きかけて精神を穏やかにする作用があります。腹式の深呼吸は横隔膜をはじめとする呼吸器官の緊張も緩和させるため、心身を落ち着かせる効果があります。

人は常に地球の重力の影響を受けており、立っている場合、自分の体重分の力を足底部から受けていることになります。この地面から受ける反発の力を床反力と表現しています。床反力は普段の生活のなかではあまり意識されることはありませんが、重力は常に存在するため、身体は持続的に負荷をかけられていることになります。つまり床反力は身体にとって大きな負担となっているのです。この負担を軽減するのが各関節の動きです。たとえば歩行する場合、投げ出した足が着地すると地面から垂直に重力の反発を受けることになります。そして関節はその反発力を自然と進む方向へと逃がしています。そのため普段から身体を使って動いている方のほうが、肩こりや腰痛などの症状もはるかに少なくなるのです。

骨格構造力学

重力が人体に及ぼす影響について建築物を例にご説明します。あらゆる建築物にも自重があり、当然重力の影響を受けていますが、その重力を支え、揺れたり捻じれたりしても倒れにくいような工夫がされています。たとえばビルが地震などで揺らされると地面から伝えられた力は最上部へ逃げていきます。また各階においても力を外へ分散するような構造になっています。人体(特に骨格)の構造も同じであり、歩行などで足底部に伝えられた重力は頭部へと逃げていきます。もちろん各関節によって力を逃がすような構造にもなっています。しかし人体の最上部(頭部)には心身をコントロールする大切な脳があります。その脳を保護している頭蓋骨は23片の骨が縫合関節で立体パズルのように組み合わさることで形成されています。そのため頭蓋骨はどこか一片が歪むだけでも全体のバランスが崩れてしまいます。つまり床反力による衝撃が頭頂部(脳や頭蓋骨)の歪みを生じさせ、髄液循環の悪化や自律神経の乱れ、免疫力の低下を引き起こすこともあるのです。

身体の歪みは連鎖する

人の骨格はすべて筋肉や靭帯などでつながっているため、どこか一ヶ所でも歪んでしまえば、その歪みは全身に連鎖します。たとえば足を捻挫しただけでも全身のバランスが崩れてしまうため、足→膝→股関節→肩→頭というように最終的に頭(脳)へ歪みが生じてきます。歪みがありながらも立っていられるのは、三半規管が機能しているからです。三半規管が平行(バランス)を保っているからこそ人体はなかなか倒れないのですが、歪んだ状態でバランスを保っているために身体の歪みが慢性化するとも言えるのです。

歪みが連鎖する例

最近、体幹という言葉を頻繁に耳にします。体幹トレーニングを指導しているスポーツジムなども増えていますが、アウターマッスル・インナーマッスルの使い方や骨格(関節)操作などはスポーツに特化した生活をしていない限り、それほど難しく考える必要はありません。

また健康を目的とした運動などでも「○○法式」などの用語が使われていますが、自然界の動物は無意識的に行っていることばかりであり、本来は非常に単純なものばかりです。

とはいえ日常で体幹をつかえる人が少なくなっていることは事実です。

体幹に対する誤解

たとえば「江戸時代に活躍していた飛脚(荷物を運ぶ職業の人)は東京~京都間(約500km)を3~4日で行き来していた」と言います。現代のように道が舗装されているわけではなく、靴もなく足袋や草鞋などを履いていたにもかかわらず、驚異的な移動ができたのは体幹をつかえていたからだと考えられます。

体幹は本来意識するものではなく、無意識に使えるものです。たとえば動物は獲物をとるためにバーベルなどを使って意識的にトレーニングを行うことはありません。体幹をはじめ、生きるために必要な筋力や体力は自然と身につけていきます。じつは人も初めは無意識に体幹を養っています。赤ちゃんのハイハイがまさに体幹をつかう運動だからです。

「身体の中心部分の筋肉(コア)を鍛えることで体幹をつかえるようになる」と誤解されている方も多いのですが、鍛えるだけでは体幹を十分につかうことはできません。

体幹をつかう

赤ちゃんは興味のあるものに近づいたり、触ろうとするためにもがくことでハイハイができるようになります。また職業で道具を使用する方はわかると思いますが、道具というのは何回も繰り返し使うことでコツをつかみ、だんだん楽に使えるようになってきます。つまり無駄な動き(力)がなくなってくるのです。体幹を使うためには自分自身の感覚で体幹を感じ取り、意識して繰り返すことが大切です。この繰り返す動作(練り)によって、自然と(無意識のうちに)体幹をつかえるようになっていきます。

体幹を感じる運動

体幹を感じるうえで役に立つ運動が赤ちゃんのハイハイです。赤ちゃんは手足の筋肉が未発達であるため、四つん這いの姿勢から手足を持ち上げることができません。そのため体幹(身体のコア)を軸にして身体を左右に切り返す運動によって前進しています。もし体幹のトレーニングを実施する際には、赤ちゃんのハイハイの動きを真似ることをおすすめします。

野生動物が人間の脚力をはるかにしのぐにもかかわらず、ほっそりとしたフォルムをしているのは、筋肉に負担をかけず自然と体幹をつかった動き方をしているからだと考えられます。

深呼吸の効用
体幹
床反力

体幹をつかうことで無駄な力(筋力)を使わずに身体を動かせるようになります。結果的に身体の負担を軽減できるため、症状によっては体幹をしっかりつかうことで改善する場合もあります。最近、体幹を使わずに歩いている方をよく見かけますが、体幹を使わない歩行とは、足や腕の筋肉に頼った歩き方です。たとえば踵から着地して地面を蹴り上げたり、腕を振ることで次の足を出すような歩き方は体幹を十分に使っているとは言えません。体幹をつかった歩行の原理は坂を下る人形の玩具を例にするとわかりやすいでしょう。この玩具は動力を持たず、人体で言うところの骨格しか組み込まれていませんが、傾斜(重力)を利用することで歩行を繰り返していきます。つまり人体も床反力を利用し、体幹で力のバランスを調整する(床反力のベクトルを変換する)ことで歩行が可能になります。筋肉への余計な負担を軽減できるだけでなく、地面から垂直にかかる床反力を分散することもできるため、各関節への負担も緩和されます。

具体的には、まず姿勢をわずかに前傾すると重力の影響で自然と足が出ます。つまり初期動作においても足の筋肉で蹴り上げるような力は必要ありません。そして次の足を身体の切り返しで投げ出すことで体幹をつかった歩行が可能になります。進みたい方向へ足と肩が同時に(手は後ろから肩に従って)出て行くようなイメージです。

身体への負担を減らす歩き方
骨格構造力学
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