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氣太浪が提唱する生活習慣

感じることを、忘れてはいけない。

人間は心(脳)によって喜怒哀楽を感じます。

現在、その心の在り方を原因とする症状も増えており、悩んでいる方は数多くいらっしゃいます。心がどのように身体に作用するのかを考えていきましょう。

皆さんも経験があるかと思いますが、たとえば自分が好きなことをしているときは時間を忘れるほど夢中になってしまうことがあります。逆に苦手なことや嫌なことを無理強いされたときは時間が経つのも遅く感じられ、頭の働きが鈍くなったり身体が重く感じられることがあると思います。要するに自分にとってネガティブな状況は、身体へダイレクトに悪影響を及ぼすのです。

自己免疫性疾患

心配事や悩み事、自己を責めたり、落ち込んだりしているとき、これは心身にとってマイナスの効果を生み、脳にもかなりの負担をかけることになります。このような状況から抜け出せず、反復することによって脳の信号が身体の弱い(敏感な)部分へ送り続けられることになります。その結果自律神経のバランスが崩れ、身体の弱い(敏感な)部分に病気や症状が現れることもあります。医学の世界では自己免疫性疾患と呼ばれる状態です。精神的ストレスを起因とする症状は、痛みのある箇所のみを調整しても改善されなかったり、一時的に改善してもすぐに元の(歪んだ)状態に戻ってしまいます。精神的ストレスが脳に作用しているためです。また病気から身体を防衛している免疫力(自己免疫能力)は心と密接に関係しており、たとえば過度な精神的ストレスによって交感神経が過剰に刺激されると筋肉の緊張やホルモンバランスの乱れなどが生じ、血液循環が悪くなり、身体が冷えることで免疫力は低下していきます。免疫力が下がっている状態では、うがい・手洗いやマスク・除菌クリーナーなども十分な感染予防にはなりません。さらに免疫力の低下は不眠や不安状態、うつ症状を引き起こす恐れすらあります。ストレスはまさに万病の元なのです。

否定的な心が毒を分泌

否定的な心理状態のとき、自律神経のバランスは交感神経優位(緊張)の状態となり、アドレナリン(ホルモン)などが分泌されます。「アドレナリンは毒蛇の3~4倍もの毒性を持つ」と言われており、その刺激によって顆粒球(白血球の一種)を増加させます。ちなみにガン細胞や病原体と闘うNK(ナチュラルキラー)細胞は減少するとされており、心が否定的な状態のとき、ガンへの抵抗力は減少していくと考えられています。また交感神経優位とは本来外敵に備える(闘争・逃走する)状態であるため、エネルギー源である血糖が増加し、血圧や脈拍も上昇します。

表情は脳に影響を及ぼす

悔しかったりイライラすると歯を噛み締めたり眉間にシワがよったりするように、精神的ストレスを感じると顔面に力が入りやすくなります。無意識でも力が入っていれば顔面の筋肉は緊張し、脳を保護している頭蓋・顔面骨が歪み、当然脳自体の機能にも悪影響を及ぼします。硬膜の緊張から髄液循環の不全を引き起こす場合もあります。

関節炎(腰痛、膝痛など)のメカニズム

各筋肉の痛みは脳に伝えられ、脳はセロトニン(痛みを緩和するホルモン)などを分泌します。しかしストレス状態があまりに継続するとセロトニンなどの分泌量は減少し、脳が感じる痛みはより強くなってしまいます。精神的ストレスが自律神経に作用することで筋肉疲労が慢性化すると、炎症が生じ、骨や関節部にも炎症の影響が及びます。これが腰痛(ヘルニア・狭窄症・分離症など)をはじめとする各関節痛のメカニズムの一つとされています。

心(脳)とダイレクトにつながる腸

「腹を割る」「腹をくくる」という表現もあるように、昔から心(感情)と腹には密接な関係があると考えられていたようです。特に「断腸の思い」「腸(はらわた)が煮え返る」など、感情を表現することわざに腸がつかわれているのには、きちんと理由があります。じつは腸の神経細胞の数は他の臓器をはるかにしのぎ、脳ともダイレクトにつながっていることがわかっています。そのため脳によって感知されたストレスはすぐさま腸に反応するとされており、実際に過度なストレスを感じる状況でお腹が痛くなったことがある方もいると思います(「痛みを緩和するホルモンであるセロトニンの9割は腸に存在する」と言われており、精神的なストレスが腹痛の原因となることは医学的に証明されています)。また人間の心(感情)に作用する神経伝達物質の多くも腸で生成されており、脳死状態でも腸は機能し続けることができますが、逆に腸が機能を停止してしまえば人体は自力で活動を続けることができません。腸には消化吸収以外にもとても重要な役割があるのです。

病は気から
表情は脳に影響を及ぼす
関節炎のメカニズム
自己免疫性疾患
否定的な心が毒を分泌

人間を含め、動物にはそれぞれ個性があります。特に自然界に生きる動物は本能的に我がままに(個性を出して)生きていますが、私たち人間はすべての行動が自由に許されることはありません。法律、社会の規範、家族や友人など様々な関係のなかで生きています。しかし確かに私という存在(個性)を本能的に感じるところは、誰にでもあるはずです。世の中には趣味やスポーツ、仕事において、やりたいことを目標にして生きている方もたくさんいます。一方で、個性を出し切れず「まわりに抑えつけられている」「自分は個性を出してはいけない」と思い込んでいる方もいます。しかし本来、成長の過程や環境、遺伝による性格や持って生まれた個性は他人と比べられるものではありません。人間として間違ったことをしていなければ、個性というのは「自分(私)である」という証となるはずです。そして必要以上に個性を出せない生活をすれば、ストレスが生じ、様々な病気・症状のリスクを抱えることになりかねません。

大人になるにつれて社会の目に見えない法則に縛られ、他人の目を気にすることで自分らしさを感じられない生活を送っている方も多いのではないでしょうか。実際、当院には個性や生き方に葛藤し、ストレスを抱えている方もいらっしゃいます。しかし子どもの姿を見ていたり、自分の子どもの頃を思い出してみると、毎日が好奇心にあふれ、発見があり、ワクワクしていたのではないかと思います。これはストレスとは相反する心の状態です。要するに自分がやりたいことややりがいを感じることが過度なストレスに対抗する手段となります。自然と湧き出てくるワクワク感が心を刺激することで、自律神経をはじめとした身体機能は活性化され、バランスを良好に保ちます。せっかく一度しかない命を頂いたのですから、多くの方に自分自身が楽しく過ごせる人生を送っていただきたいと思っています。

笑いの効用

笑うことによって自己免疫機能をコントロールしている間脳という部位に興奮が伝えられると、神経の情報伝達物質(神経ペプチド)が活発に生成されるようになります。笑いを起因とする神経ペプチドは善玉とされており、この善玉神経ペプチドが血液などを通じて体内に流れると、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させます。NK細胞には細菌やウイルスなどの病原体を攻撃する性質があるため、結果的に免疫力が高まるとされています。

自分に合ったストレス解消法

ストレスのなさ過ぎる生活は過剰な副交感神経優位から体調不良のもとになりかねません。とはいえ過度なストレスもまた、過剰な交感神経優位の原因となり、様々な症状につながる恐れがあります。最も大切なことは、ストレスに振り回されない方法を知ることです。個々人がストレスに対する自分に合った方策を準備しておくことも、健康維持には欠かせません。たとえば食べること(一種の過食)で気持ちが落ち着く経験をすると、ストレスを受けるたびに過食でストレスを発散する習慣が身についていきます。過食が続くと、当然肥満や血糖値の上昇につながり、体質によっては糖尿病になる方もいます。

当院のカウンセリングでは、個々人の生活習慣や気質をもとにお互いに相談をしながら、自分に合ったストレス解消法を探るなど、精神面に起因する症状の予防にも努めています。

ストレスに対抗する心の在り方
健康と個性
自分にあったストレス解消法
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